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伝統的な工法に挑戦している3棟同時建築実例の紹介




まず初めに今回採用している工法について


①土蔵大壁構法

②石場建て構法

③在来軸組み構法



この三種類の工法を隣り合う敷地で一緒に建てたのが今回のポイントです。






「伝統的な建て方を継承したい」という想いから今回の建物を設計・デザインしています。

 

現在は、「性能」を向上させた住環境の良さを求めるニーズも高まってきていることから、昔ながらの工法と住宅性能にこだわった対極にあるものを一緒に実現させようという試みです。


近年の性能に対するニーズを実現させる意味では、在来軸組工法を選択することにより、小屋裏エアコンや床下エアコンを採用しています。一方で土蔵大壁構法は、空調などの技術にあまり頼らず、土壁の厚みによって空気環境の変動がどの程度生じるかを検証する意味でも興味深いと考えています。




こちらに使用している石は、新町に建っていたマンションの敷地内にあった境界の石塀です。もともと設計段階で敷石の計画はしておりましたが、希望する形状・寸法の敷石はなかなか見つかりませんでした。


敷石の加工をしていただく石工さんと一緒に、希望に沿う石を探している中で、「あそこのマンションの敷地にあるらしい。」という情報を教えてもらい見に行くと、熊本地震によって崩れかけた石塀がありました。そして隣接する敷地には間もなく建て方が始まるという状況で、建物が建ってしまうとその石塀は取り出せなくなってしまうというところでした。そのため、急ぎその石を引き出させてもらい、希望に沿う形状・寸法だったこともあり、無事に再利用することができました。


その後その石を適したサイズに加工し、表は荒く削って、内側はスライスしてきれいに仕上て使用しています。




べた基礎の上に石を敷き並べ、土台・敷石・べた基礎をアンカーで固定しています。



事務所の石場建て工法については、べた基礎の上に載せているだけの施工を選択しました。



規模も小さく、自身の所有する建物でもあるので、地震が来た際にどれぐらいのズレがあるのかも検証したかったため、緊結しないことを選択しました。


石場建ての建て方の様子です。



木材は全て大工さんの手刻みです。



竹が編まれた状況です。



外壁は真壁同様に一度竹を編んで土を塗り、外にもう一度竹を編んで土を塗り大壁としての耐力壁を造っています。室内の耐力壁には基礎立上りを設けて筋交いを入れ、ホールダウン金物を使用しています。



木小舞は、木摺漆喰を塗るための壁です。




内壁に竹を編んで土を塗り、外壁には羊毛の断熱材をいれてバス板を打ってモルタル、漆喰で仕上げます。



事務所の外壁の仕上げは、全面『七宝なまこ壁』とし、カラーは薄いグレーと白で仕上がる予定です。屋根は方形屋根。最終的な完成形は、明治建築のような和洋折衷の建物を想定しています。サッシについては通常は木建てを利用するのですが、ほとんどの古い建物は窓周りから痛みがでてくるので、アルミサッシを採用しました。屋根には淡路粘土瓦を採用し、マットないぶし銀のしっとりとした質感を大切にしました。



今後も、現在進行形で仕上がっていく様を少しずつ発信していきたいと思います。

完成までよろしくお願いします。

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