ストーリーを感じるトイレ空間へ
築25年の保育園のトイレリニューアル
子どもたちにとって「遊ぶ」「食べる」と同じくらい、「トイレに行く」ということは、一日のうちに何度も繰り返される、とても大切な活動の一つである。毎日いかねばならないトイレも、せっかくなら楽しみの場所にしたい。ただ楽しそうなのではなく、ストーリーを感じながらその先を想像するような空間へと、リニューアルした。
一階のトイレは「草原のトイレ」。草原に建つ風車の上に沢山の風船が空へと上がっていく。そして空を見上げると大きな風船が光を放って子どもたちの頭上に浮かんでいる。
2階トイレは「森のトイレ」。森の中に立つと、沢山の木々が上へ上へと向かって立上り、その先には空が広がり、光り輝く雲が浮かんでいる。そんな物語が想像できないかと、このトイレをデザインした。1・2階とも、トイレのドアは優しい色合いだけどカラフルに。「今日はピンクに入る!」「わたしはみどり!」「おれが男だけん、みどりばい!」と、子どもたちが競って、今日入るトイレを取り合っている様子を見ると、やはりトイレって大事だなあと痛感する。
風車柄のロールクロスの上に風船柄のクロスを貼り、風車の上を風船がどんどん空へと飛んでいく様を表現
風船デザインの照明。オブジェとしても成立するよう、ダウンライトで照度を確保している
雲形の照明。天井は明るいブルーのクロスを採用して、空を表現している
草原のトイレと森のトイレのドアカラー。色相に偏りがでないよう配列した
一番奥に配してあった、大人用のトイレブースを手前にレイアウトし、既存の窓からの光をさらにトイレに取り組むことで、明るさを確保しました。また、保護者がトイレを利用する機会も頻繁にあたっため、子どもだけでなく、大人も気兼ねなく利用できるよう心掛けました。
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